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相続税の計算の仕組みが分からなかったら申告書の第1表を見ろ!

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税の申告書の第1表の構成について、お話します。

どうやって計算されているか分からずに払っている相続税

相続税の申告を税理士に依頼した場合、税理士から「相続税はいくらですよ」と教えてもらって、その金額を納付しているハズです。

その際、その納付税額がどのように計算されたかの説明までは受けていないでしょう。

相続税の申告をご自分でやる場合であっても、税務署で「相続税の申告のしかた」という小冊子をもらってきて、そこに書かれているとおりに計算したり、税務署の窓口で教わりながら、言われるがままに申告書を作成して相続税を計算したりすると、相続税の金額は出たけれども、その計算の流れの意味がよく分からない、でも払う、なんてことも多いのではないでしょうか?

相続税の計算構造の幹の部分は、相続税の申告書の第1表を見れば分かります。

相続税の申告書の第1表の「(続)」があることがまず重要!

インターネットで「相続税の申告書の第1表」と調べると、第1表が出てきますが、

参考 相続税の申告書・第1表国税庁

実はこれだけが第1表ではありません。

「第1表(続)」があるのです。

参考 相続税の申告書(続)・第1表(続)国税庁

相続税の申告書は、横に拡がります。

申告される方が増えれば増えるほど、横に拡がっていくのです。

「第1表」の右側に、「第1表(続)」が続きます。

財産を取得される方が3人までならこれで終わりです。

4人または5人になると、さらにその右側にもう一部、「第1表(続)」が続きます。

つまり、申告される方の人数が増えれば増えるほど、右にどんどん申告書が拡がっていくんです。

その合計額が、「第1表」「各人の合計」欄に集計されます。

計算の流れは上から下へ、3段階に分かれます

第1表は、一番上に亡くなった方や申告される方のお名前や住所などを記載する欄があり、その下は、3区分に分かれています。

「課税価格の計算」欄

まず、申告される方ごとに、取得した財産を集計します。

その際、負担する債務や葬式費用の金額をマイナスしたり、生前の贈与財産の金額をプラスしたりします。

「各人の算出税額の計算」欄

相続税は、相続財産を取得される方ごとに計算するものではありません。

いったん、全財産に対する相続税を計算します。

そのため、この2つ目の区分で、「相続税の総額」(全財産に対する相続税)を計算します。

次に、その金額を、財産を取得した割合に応じて、それぞれの方に按分します。

例えば、全体の相続税が2,000万円で、財産を取得した割合がAさん20%・Bさん30%・Cさん50%だった場合には、

Aさんの分:2,000万円×20%=400万円
Bさんの分:2,000万円×30%=600万円
Cさんの分:2,000万円×50%=1,000万円

と計算します。

また、相続税が2割増しになる方(孫養子の方など)がいらっしゃる場合には、ここでその計算された相続税を2割増しします。

「各人の納付・還付税額の計算」欄

財産を取得される方それぞれの相続税が計算されたら、後はその方のご事情等に合わせて相続税を安くします。

配偶者の方であれば、最低でも1億6,000万円までの財産が非課税になりますので、ここで非課税となる分の相続税をマイナスします。

また、未成年の方や障害者の方がいらっしゃる場合にも、年齢に応じてここで相続税を安くします。

想う相続税理士

財産が多ければ多いほど、相続税は高くなりますが、法定相続人の数が多ければ、相続税の非課税枠が増え、相続税が安くなります。

相続税の申告書の第1表の内容を確認し、納得した上で、相続税を納めましょう。