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相続税の特定同族会社事業用宅地等の適用パターン

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税の申告における小規模宅地等の特例のうち、特定同族会社事業用宅地等の適用パターンについて、お話します。

法人が「土地を借りる」か「建物を借りる」か

相続税の計算においては、一定の居住用または事業用の宅地等について、その評価額を80%または50%減額して申告することができる「小規模宅地等の特例」という制度があります。

その特例の適用パターンの中に、「特定同族会社事業用宅地等」があります。

「一定の同族会社の事業の用に供されていた宅地等」が対象となるのですが、さらに2パターンに分けられます。

租税特別措置法関係通達(一部抜粋)
69の4-23 法人の事業の用に供されていた宅地等の範囲
措置法第69条の4第3項第3号(特定同族会社事業用宅地等)に規定する法人の事業の用に供されていた宅地等とは、次に掲げる宅地等のうち同号に規定する法人の事業の用に供されていたものをいうものとする。
(1)当該法人に貸し付けられていた宅地等(当該貸付けが同条第1項に規定する事業に該当する場合に限る。)
(2)当該法人の事業の用に供されていた建物等で、被相続人が所有していたもの又は被相続人と生計を一にしていたその被相続人の親族が所有していたもの(当該親族が当該建物等の敷地を被相続人から無償で借り受けていた場合における当該建物等に限る。)で、当該法人に貸し付けられていたもの(当該貸付けが同項に規定する事業に該当する場合に限る。)の敷地の用に供されていたもの

(1)は、同族会社が亡くなった方から更地を借りて、その上に建物を建てて、事業の用に供している場合です。

亡くなった方と同族会社との間に、土地の賃貸借があるパターンです。

(2)は、同族会社が更地を借りるのではなく、亡くなった方の土地の上の①「亡くなった方が建てた」または②「亡くなった方の生計一親族が建てた」建物を借りて、事業の用に供している場合です。

亡くなった方(また亡くなった方の生計一親族)と同族会社との間に、建物の賃貸借があるパターンです。

地代や家賃がポイントになる

(1)の場合、その土地の貸付けが「無償」だと、特例の適用を受けることができません。

(2)の場合、①のケースでは、その建物の貸付けが「無償」だと、特例の適用を受けることができません。

②のケースは、
「亡くなった方(土地所有者)」
「亡くなった方の生計一親族(建物所有者)」
「同族会社(建物借家人)」

が登場するワケですが、
亡くなった方→「無償貸付け」→生計一親族→「有償貸付け」→同族会社
の場合のみ、特例の適用を受けることができます。

特定同族会社事業用宅地等『崩れ』の貸付事業用宅地等

(2)②のケースでは、生計一親族に対する土地の貸付けが「無償」であることが要件なのですが、これが「有償」の場合、特定同族会社事業用宅地等ではなく、生計一親族に対する「貸付事業用宅地等」としての特例の適用の可能性があります。

また、(2)②のケースは、「生計一親族」に対する土地の貸付けが前提になっていますが、これが「生計別親族」であっても、その貸付けが「有償」であれば、その生計別親族に対する「貸付事業用宅地等」としての特例の適用の可能性があります。

想う相続税理士

同族会社の「事業」の内容にも要件がありますので、ご注意を。