【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

小規模宅地等の特例は贈与財産には適用できないので注意!

相続税専門税理士の富山です。

今回は、小規模宅地等の特例の適用対象となる宅地等について、お話します。


相続税専門税理士に任せてスッキリ!
相続税専門税理士が直接対応
事前予約で土日祝日夜間対応可能
明確な料金体系+スピード対応
大手生命保険会社様で相続税・贈与税に関するセミナー講師の実績有(最近の実績:令和5年11月・令和5年12月・令和6年2月)

または はこちらから


贈与財産も相続税の課税の対象

租税特別措置法関係通達(一部抜粋加工)
69の4-1 相続開始前3年以内の贈与財産及び相続時精算課税の適用を受ける財産
措置法第69条の4(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)第1項に規定する特例対象宅地等には、被相続人から贈与により取得したものは含まれないため、相続税法(昭和25年法律第73号)第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》の規定の適用を受ける財産及び相続時精算課税の適用を受ける財産については、措置法第69条の4第1項の規定の適用はないことに留意する。

相続税の計算においては、一定の居住用または事業用の宅地等について、その評価額を80%または50%減額して申告することができる「小規模宅地等の特例」という制度があります。

相続税の特例ですから、相続税が課税される土地であれば、必ず適用対象になるかというと、そんなことはありません。

相続で取得した財産ではなくても、
①相続で財産を取得した方が相続開始前3年以内に亡くなった方から贈与により取得した財産
②亡くなった方から相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産

については、相続税が課税されます。

しかし、上記通達にあるとおり、贈与により取得した財産は、小規模宅等の特例の適用対象外です。

贈与すると損をする場合がある

結論としては、同じように財産をもらうのでも、相続で取得していれば、小規模宅地等の特例が適用できたのに、生前に贈与により取得したため、小規模宅地等の特例が適用できない、というようなことが起こり得るのです。

通常、相続税対策として贈与を行うことが多いと思いますが、特例の適用について考慮しないと、贈与により逆にトータルの税金が増えてしまうことがあるのです。

知っている人は山林と同じように考えて失敗する

特定計画山林についての相続税の課税価格の計算の特例」(租税特別措置法第69条の5)というモノがあります。

一般的には、あまり知られていない特例だと思いますが、この特例は、相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産も対象に含まれ、さらに、原則的には小規模宅地等の特例と併用できないものの、面積によっては併用できる場合があるため、「山林は精算課税も適用OKで小規模宅地等との併用OKだから、小規模宅地等は精算課税にも適用OKのハズ」と(知識があるが故に)勘違いしてしまう可能性があります。

想う相続税理士

相続税対策で相続と贈与の有利不利を判定する際、贈与による土地の移転は、相続に比べ、登録免許税や不動産取得税が高くなりますので、ご注意を。