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【税理士が解説】「相続についてのお尋ね」が税務署から来るのを待ってちゃダメ!

相続税専門税理士の富山です。

今回は、「相続についてのお尋ね」について、お話します。

相続税がかかるかどうかは税務署が判断してくれる?

「相続があって、遺産もそれなりにあるけど、相続税がかかるかどうか分からない、できれば払いたくない、税務署は遺産がどれくらいあるかなんてわからないハズ、そうだ、遺産が多いと、税務署から『お尋ね』というものが来るってネットに書いてあったから、それが来てから考えよう」と思う気持ちも分かる

この「お尋ね」は、必ず送られてくる、というモノではない、送られてこない場合もある、だからと言って、送られてくれば、必ず相続税がかかる、というワケではなく、また、送られてこなければ、相続税がかからない、というワケでもない

税務署は、亡くなった方の財産を100%把握しているワケではない、相続税が出るかどうかは、相続人などの相続財産を取得した方々が自ら確認しなければならない

とはいえ、ある程度(かなりの部分)把握している、お尋ねは、「それなりに財産あるの分かっているんだけど、相続税が出る場合にはちゃんと申告するよね?」という注意喚起の文書

お尋ねが来る前に相続税申告に着手する!

相続税の計算は時間がかかる、10ヶ月も申告期間がある税金なんて他にない、それは、葬儀などで亡くなった直後は忙しいとか、財産の評価が難しい(時間がかかる)という側面を考慮していることもあるだろうが、次の2点も考慮されていると思われる

1つ目は、そもそも、どんな財産があるかの把握に時間がかかる、ということ、親族だからといって、亡くなった方の財産をすべて把握しているとは限らない、市役所に行けば、財産一覧がもらえるワケではない、金融機関等に問い合わせをしても、すぐに回答をもらえない場合もある、財産の金額ウンヌンの前に、何があるかの把握が大変

どんなに頭のいい相続人でも、亡くなった方の財産を全部把握している、とは言い切れないハズ、亡くなった方が親族の知らないところに財産を形成している可能性はゼロではないハズ

2つ目は、相続人が全員で歩調を合わせなければならない、ということ、遺産分割協議は、全員が納得しなければ成立しない、利害が一致しなければ、話し合いが長期化するのは当然

また、相続財産は、相続人にとって(特に残された配偶者にとって)、今後の生活基盤になったりする、きちんと考えない遺産分けは、相続人の今後の生活を脅かす可能性がある、税務が遺産分けを急がせるワケにはいかない

このように手間と時間がかかる相続及び相続税申告を後悔せずに乗り切るためには、早めの着手が肝要、お尋ねが来てからの着手は、自分で自分の首を絞めるようなモノ

「相続についてのお尋ね」の記入欄は、全種類の財産を網羅していない!

お客様のところに送られてきたお尋ねを改めて見てみたが、「こういう財産があったら書く欄がない」とか、「この金額の出し方では評価額が過少になる可能性がある」とか、いろいろ突っ込める

しかし、これはしょうがない、「主だった財産」「概算」の金額で、相続税が出るかどうかの「当たり(見当)をつける」ためのモノ

ということは、正味の財産の金額が相続税の非課税枠(基礎控除額)の金額に比べて、かなり低い場合以外は、細かい部分もチェックする必要がある、ということ

それはお尋ねにも書いてある

※ あくまでも概算による結果ですので、Mの金額(正味財産の金額)とNの金額(基礎控除額)の差が小さい場合には、申告の要否についてさらに検討する必要があります。(一部説明追加)

想う相続税理士

財産を除外してお尋ねを書けば、税務調査が来ない、というワケではありません。

税務署が、遺産の内容について既に情報収集を進め、また、生前の収入等を確認した上で、お尋ねを送ってきていることを、お忘れなく。