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【税理士が解説】相続税の申告をする場合には生前贈与に注意!

想う相続税理士、富山です。

今回は、相続税の申告をする場合には、亡くなった方の過去の贈与も確認する必要がある、ということについて、お話します。

この記事の結論
贈与財産の一部にも相続税がかかる

亡くなった方の生前の預貯金口座からの多額の出金は、税務署に、相続人に対する贈与があったのではないか、と疑われる可能性が高い

贈与の意思表示がなくても、贈与とみなされることがある

しかし、みなされる場合には、要件がある

贈与にも相続税がかかる!

相続税法
第19条 相続開始前3年以内に贈与があつた場合の相続税額(一部抜粋)
相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続の開始前3年以内に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合においては、その者については、当該贈与により取得した財産の価額を相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価格とみなし、

「相続財産(①)」を取得した方が、亡くなった方から、「亡くなる前3年以内に贈与により取得した財産(②)」には、相続税がかかります。

相続税の申告の際に、と合わせてについても申告しなければならないことになっているのです。

暦年贈与は、年間110万円以下であれば非課税ですが、そんなの関係ありません。

110万円以下でも相続税がかかります。

「亡くなる時に持っていたら相続税がかかっちゃうから、前もって贈与で渡しておこう」というのは、3年以内だと通用しない、ということです。

預貯金口座からの多額の引出しがあると・・・

税務署は、亡くなった方の生前の預貯金口座の動きを調べます。

多額の出金がある場合には、「相続人に対する贈与があったのではないか?」と考えます。

その場合、その出金されたお金が、相続人の口座に入金されているかどうかも調べます。

入金されていなければ、「どこかに現金として保管されているのではないか?」「他の財産の購入に充てられているのではないか?」などと考えます。

贈与が成立しなくても贈与とみなされる可能性がある!

贈与については、民法に次のように規定されています。

民法
(贈与)
第五百四十九条 贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

つまり、贈与が成立するためには、贈与する側・される側の「あげます」「もらいます」という意思表示が必要だということです。

しかし、贈与になるのは、これだけではありません。

税法独自の贈与もあるのです。

相続税法第7条から第9条に、「みなし贈与」の規定があります。

相続税法
第9条(一部抜粋)
対価を支払わないで、利益を受けた場合においては、当該利益を受けた時において、当該利益を受けた者が、当該利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額を当該利益を受けさせた者から贈与により取得したものとみなす。

どこにも「意思」のことが書かれていません。

「意思」がなくても、贈与があったモノとみなされるのです。

トクするということは、財産が増加するということ

ただし、この「みなし贈与」が成立するためには、他の要件が付け加えられます。

相続税法基本通達
9-1「利益を受けた」の意義
法第9条に規定する「利益を受けた」とは、おおむね利益を受けた者の財産の増加又は債務の減少があった場合等をいい、労務の提供等を受けたような場合は、これに含まないものとする。

もらった人の財産が、贈与された金額だけ実際に増加している、という、客観的な事実が必要だ、ということです。

想う相続税理士

税務調査になると、生前のお金の動きと相続税の申告内容の整合性について、質問されます。

「分かりません」で話が簡単に終わったりはしませんので、ご注意を。