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地積規模の大きな宅地の評価と倍率地域・大規模工場用地の関係

相続税専門税理士の富山です。

今回は、地積規模の大きな宅地の評価と倍率地域・大規模工場用地の関係について、お話します。


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地積規模の大きな宅地の評価のタックスアンサーの構成

国税庁HPのタックスアンサー「No.4609 地積規模の大きな宅地の評価」を見ると(令和6年3月20日時点)、文章の構成が下記のようになっています。

(1)対象税目
(2)概要
①地積規模の大きな宅地とは
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地
※(1)・①・②は構成を分かりやすくするため私が付けました

まず、①の部分で「面積」の要件とともに、適用除外対象として

A市街化調整区域(一定の区域を除く)
B工業専用地域
C指定容積率400%(東京都特別区300%)以上
D「大規模工場用地」

が列挙されています。

次に、②の部分で、さらに要件を課していて

a路線価地域:「普通商業・併用住宅地区」「普通住宅地区」
b倍率地域:特になし

としています。

地積規模の大きな宅地の評価の財産評価基本通達の構成

財産評価基本通達「20-2 地積規模の大きな宅地の評価」は次のようになっています(一部抜粋)。

地積規模の大きな宅地(三大都市圏においては500㎡以上の地積の宅地、それ以外の地域においては1,000㎡以上の地積の宅地をいい、次の(1)から(3)までのいずれかに該当するものを除く。以下本項において「地積規模の大きな宅地」という。)で14-2《地区》の定めにより普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区として定められた地域に所在するものの価額は、15《奥行価格補正》から前項までの定めにより計算した価額に、その宅地の地積の規模に応じ、次の算式により求めた規模格差補正率を乗じて計算した価額によって評価する。
(1)市街化調整区域(一定の区域を除く)
(2)工業専用地域
(3)容積率が10分の40(東京都特別区は10分の30)以上

上記の「タックスアンサー」「財産評価基本通達」を見比べると、2つの点について疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

地積規模の大きな宅地の評価の財産評価基本通達には倍率地域についての記載がない!

地積規模の大きな宅地の評価の財産評価基本通達には大規模工場用地NGの記載がない!

タックスアンサーの「倍率地域:特になし(原文:倍率地域に所在するものについては、地積規模の大きな宅地に該当する宅地であれば対象)」「適用除外対象・D大規模工場用地」の根拠はどこにあるのでしょうか?

倍率方式に関する財産評価基本通達にその答えがある

その根拠は、通達の別の条文にあります。

財産評価基本通達
21-2 倍率方式による評価(一部抜粋加工)
倍率方式により評価する宅地の価額は、その宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算した金額によって評価する。
ただし、倍率方式により評価する地域(以下「倍率地域」という。)に所在する20-2《地積規模の大きな宅地の評価》に定める地積規模の大きな宅地(22-2《大規模工場用地》に定める大規模工場用地を除く。)の価額については、本項本文の定めにより評価した価額が、その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額を14《路線価》に定める路線価とし、かつ、その宅地が14-2《地区》に定める普通住宅地区に所在するものとして20-2(地積規模の大きな宅地の評価)の定めに準じて計算した価額を上回る場合には、20-2の定めに準じて計算した価額により評価する。

倍率地域の宅地については、1㎡当たりの一定の金額を路線価として、かつ、普通住宅地区に所在するものとして、地積規模の大きな宅地の評価を適用してもいい、としています。

また、カッコ書きで、大規模工場用地が除かれています。

ここで、さらに1つの点について疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この21-2の通達は、倍率地域の土地の評価についての記載したものであるため、路線価地域にある大規模工場用地が適用除外対象になる、ということは書かれていない!

(タックスアンサーの「適用除外対象・D大規模工場用地」は路線価地域に限定されていませんから)路線価地域にある大規模工場用地も適用除外対象です。

その根拠はどこにあるのでしょうか?

大規模工場用地に関する財産評価基本通達にその答えがある

財産評価基本通達
22-2 大規模工場用地(一部抜粋)
前項の「大規模工場用地」とは、一団の工場用地の地積が5万平方メートル以上のものをいう。ただし、路線価地域においては、14-2《地区》の定めにより大工場地区として定められた地域に所在するものに限る。

路線価地域については、大工場地区に所在する宅地に限定して「大規模工場用地」と認定します。

路線価地域にある宅地については、地積規模の大きな宅地の評価を適用するためには、「普通商業・併用住宅地区」「普通住宅地区」に所在することが要件となっていますから、「路線価地域の『大規模工場用地』は適用除外対象」と規定しなくても、所在する地区を「普通商業・併用住宅地区」「普通住宅地区」に限定することで、自然に(「普通商業・併用住宅地区」「普通住宅地区」以外の「大工場地区」にしか存在し得ない)「大規模工場用地」は除外(適用除外対象とすることが)できるのです。

想う相続税理士

国税庁HPに掲載されている「『地積規模の大きな宅地の評価』の適用対象の判定のためのフローチャート」においても、「大規模工場用地に該当するか」の項目が「倍率地域」の方にしかないのは、そのためです。