【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

生命保険契約に関する権利って何?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、生命保険契約に関する権利について、お話します。

こちらの記事もご覧ください。

想う相続税理士秘書

生命保険契約の保険金受取人や保険料負担者が先に死亡した場合 生命保険契約の名義契約者が死亡した場合や生命保険契約に関する権利相続後の課税関係

被保険者よりも先に保険契約者が死亡することもある

保険契約者:夫
保険料負担者:夫
被保険者:妻
保険金受取人:夫

夫が死亡した場合に、上記のような生命保険契約があったら、どうなるでしょうか?

まず、死亡保険金は支払われません。

被保険者である妻は死亡していないからです。

死亡保険金が支払われなくても相続税の課税対象

夫が死亡した時点で死亡保険金が支払われないから、この生命保険契約には価値がないかというと、そんなことはありません。

保険料の一部が積み立てられているため、生命保険契約を解約するとお金が戻ってきます。

つまり、被保険者が死亡しなくても、お金に換える(お金を受け取る)ことができるのです。

その受け取れる金額が、その生命保険契約の価値と言えるので、夫の相続税の申告の際には、その生命保険契約を仮に解約したとした場合に受け取ることができる「解約返戻金」相当額でその生命保険契約を相続財産(これを「生命保険契約に関する権利」と言います)として申告します。

知らないと相続税の申告で計上できない

死亡保険金を受け取れば、「これは何か税金がかかるかもしれない」と考え、申告し忘れることはないかもしれませんが、生命保険契約に関する権利を相続しても、それだけではお金は入ってこないので、そのままにしてしまう(税金の申告のことなんて考えない)ということがよく起こります。

それが相続税の課税対象だという知識がないと、相続税の申告で失敗しますので、ご注意を。

財産評価基本通達(一部抜粋)
214 生命保険契約に関する権利の評価
相続開始の時において、まだ保険事故(共済事故を含む。この項において同じ。)が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、相続開始の時において当該契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額(解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合にはこれらの金額を加算し、解約返戻金の額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合には当該金額を減算した金額)によって評価する。

相続税法基本通達(一部抜粋加工)
3-36 被保険者でない保険契約者が死亡した場合
被保険者でない保険契約者が死亡した場合における生命保険契約に関する権利についての取扱いは、次に掲げるところによるものとする
(1) その者が当該契約(一定期間内に保険事故が発生しなかった場合においては、返還金その他これに準ずるものの支払がない生命保険契約を除く。以下(2)において同じ。)による保険料を負担している場合(法第3条第1項第3号(下記参照)の規定により、相続又は遺贈によって保険契約に関する権利を取得したものとみなされる場合を含む。)には、当該契約に関する権利は、相続人その他の者が相続又は遺贈により取得する財産となること。

相続税法(一部抜粋)
第3条 相続又は遺贈により取得したものとみなす場合
次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該各号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなす。この場合において、その者が相続人(相続を放棄した者及び相続権を失つた者を含まない。第15条、第16条、第19条の2第1項、第19条の3第1項、第19条の4第1項及び第63条の場合並びに「第15条第2項に規定する相続人の数」という場合を除き、以下同じ。)であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。
三 相続開始の時において、まだ保険事故(共済事故を含む。以下同じ。)が発生していない生命保険契約(一定期間内に保険事故が発生しなかつた場合において返還金その他これに準ずるものの支払がない生命保険契約を除く。)で被相続人が保険料の全部又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が当該生命保険契約の契約者であるものがある場合においては、当該生命保険契約の契約者について、当該契約に関する権利のうち被相続人が負担した保険料の金額の当該契約に係る保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

想う相続税理士

「相続税の課税対象ですよ」とお話しても、信じてもらえない場合もあります。