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小規模宅地等の特例の「家なき子特例」は相続人以外でも使える?

バーチャル相談問答
甥っ子がなくなりました。

甥っ子には相続人がおらず、遺言により私が甥っ子の全財産を相続しました。

相続した財産の中には、甥っ子の自宅とその敷地が含まれています。

自宅の敷地を安く評価できる特例の中に、「家なき子特例」というものがあるのを聞きました。

私はずっとアパート住まいで、いわゆる「家なき子」だと思うのですが、私のように相続人ではない場合でも、家なき子特例というものを使えるのでしょうか?

想う相続税理士

甥っ子さんということは、亡くなった方から見れば、あなたは伯父(叔父)さんということになると思います。

小規模宅地等の特例の「特定居住用宅地等」は、亡くなった方の居住の用に供されていた宅地等を、亡くなった方の「親族」が相続又は遺贈により取得することが要件となっています。

取得者が相続人であることは、要件となっていません。

あなたは、甥っ子さんの親族に該当しますので、その他の要件を満たせば、小規模宅地等の特例の家なき子特例を適用することができます。

解説・補足

民法
(親族の範囲)
第七百二十五条 次に掲げる者は、親族とする。
一 六親等内の血族
二 配偶者
三 三親等内の姻族

国税庁ホームページの家なき子特例の「取得者等ごとの要件」(一部抜粋)
(1) 居住制限納税義務者又は非居住制限納税義務者のうち日本国籍を有しない者ではないこと。
(2) 被相続人に配偶者がいないこと。
(3) 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと。
(4) 相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと。
(5) 相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと。
(6) その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること。

自宅の敷地は安く評価できますが、あなたは相続税の2割増し課税の対象者となりますので、ご注意を。

想う相続税理士秘書