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小規模宅地等の特例は相続人以外でも適用可

この記事の結論
小規模宅地等の特例により、要件を満たせば、相続人以外の方が財産を取得した場合でも、相続税を大幅に減らすことができます。

相続税の申告において、相続税の金額を大幅に減らすことができる2大特例が「配偶者の税額軽減」「小規模宅地等の特例」

「配偶者の税額軽減」「必ず相続人になる配偶者」が取得しなければ適用が受けられない

それに対して、「小規模宅地等の特例」は相続人以外の方が宅地等を取得しても、要件を満たせば適用可能

租税特別措置法
第69条の4 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに、当該相続の開始の直前において、当該相続若しくは遺贈に係る被相続人又は当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等
(一部省略)

「相続人」である要件はないが「親族」である要件がある

民法
(親族の範囲)
第七百二十五条 次に掲げる者は、親族とする。
一 六親等内の血族
二 配偶者
三 三親等内の姻族

例えば、孫は親族となるので、その他の要件(同居等)を満たせば、適用可能

ただし、相続人以外の方が財産を相続する場合には、遺言が必要

通常(遺言がない場合)、相続人間で遺産分けの話し合い(遺産分割協議)をして、財産の取得者を決める、取得者になれるのは相続人のみ

孫は相続人ではないので、孫に宅地を取得させたければ、遺言が必要

孫が代襲相続人(亡くなった方の代わりとなる相続人)や養子になっている場合には、相続人

相続人でない孫が財産を取得する場合、相続税は2割増しになる

相続人である孫が財産を取得する場合でも、代襲相続人ではない養子の孫であれば、同様に相続税は2割増し

子供の子供(要は孫)を養子にした場合には2割増しの対象となるが、子供の妻を養子にした場合には、2割増しの対象とはならない

相続税法
第18条 相続税額の加算
相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族(当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつた当該被相続人の直系卑属を含む。)及び配偶者以外の者である場合においては、その者に係る相続税額は、前条の規定にかかわらず、同条の規定により算出した金額にその100分の20に相当する金額を加算した金額とする。
2 前項の一親等の血族には、同項の被相続人の直系卑属が当該被相続人の養子となつている場合を含まないものとする。ただし、当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつている場合は、この限りでない。

想う相続税理士

財産の取得者によって相続税の金額は大きく変わります。

また、特例の適用を受ける場合には、要件を満たしているか、きちんと確認しましょう。