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相続税申告における地代や家賃の取扱い

相続税専門税理士の富山です。

今回は、亡くなった方に不動産収入がある場合の、相続税申告の注意点について、お話します。

未収家賃を日割で計上する?

地主または大家さんが、その月にもらえるはずだった地代や家賃をもらわずに亡くなった場合、例えば、毎月月末に家賃5万円をもらっている貸家があって、その貸家の大家さんが6月15日に亡くなった場合、6月にもらえる家賃をもらわずにお亡くなりになった、ということになりますが、ご存命中の期間で考えると、半月(15日間)は貸しているワケですから、亡くなった時点において半月分は家賃をもらえたはずだ、ととらえて、家賃の半額の25,000円が債権(未収家賃)として相続税の課税対象になるのではないか、というようにお考えになる方もいらっしゃると思います。

支払期日が到来していなければ計上不要

財産評価基本通達には次のように書かれています。

財産評価基本通達
208 未収法定果実の評価
課税時期において既に収入すべき期限が到来しているもので同時期においてまだ収入していない地代、家賃その他の賃貸料、貸付金の利息等の法定果実の価額は、その収入すべき法定果実の金額によって評価する。

どういうことかと言うと、相続があった時点において「収入すべき期限」、つまり「支払期日」が到来しているにもかかわらず、まだお金をもらっていない場合には、そのもらうべき金額で相続財産として計上してね、ということです。

逆に言うと、支払期日が到来していないものについては、相続財産として計上する必要はない、ということになります。

国税庁ホームページ
支払期日未到来の既経過家賃と相続財産
死亡した日においてその月の家賃の支払期日が到来していない場合は、既経過分の家賃相当額を相続税の課税価格に算入しなくて差し支えありません。

それが「何月分か?」も関係ない!

家賃の支払方法については、「前家賃」「後家賃」の2パターンがあります。

当月分の家賃を前月中に支払うことになっている契約のものを「前家賃」、当月分の家賃を当月中に支払うことになっている契約のものを「後家賃」と言います。

実務上は前家賃の契約がほとんどです。

大家さんが前家賃で支払を受けていて、その賃貸月が来る前に亡くなった場合(例えば、7月分の家賃を6月15日にもらって、6月20日に亡くなった場合)には、亡くなった時点では貸していないのにお金をもらっているから、「これは『前受金』(または『預り金』)なんだ、だから、亡くなった時点では返さなければならないモノ(『債務』)として計上できるのだ」というようにお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。

前家賃だろうと後家賃だろうと、支払期日が到来していれば、それは「もらうべきモノ」なのです。

想う相続税理士

簡単に言うと、亡くなった時点でもらえるはずのモノが、まだもらえていない場合には、それは債権(未収家賃)として相続財産に計上しなければならない、ということになります。