【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

親御さんの口座のお金は先に使ったもん勝ちではない

相続税専門税理士の富山です。

今回は、亡くなった方の口座からの生前のお金の引き出しについて、お話します。


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相続後に生前の口座からの引き出しは簡単に確認できる

通帳が無くても、金融機関に依頼すれば、生前の口座の動きを確認することが可能です。

つまり、亡くなった方の口座のお金が動いている(動いた)ことは、後から簡単にバレるので、内緒で親御さんの口座からお金を引き出す、ということはできません。

税務上も大きな問題になる可能性が高い

お金が動いているのであれば、それが贈与なのか、それとも贈与ではないのか、贈与であるとしたら贈与税の課税はあるのか、ないのか、などが問題となってきます。

「110万円以下であれば贈与税はかからないでしょ?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、相続により財産を取得した方が3年以内に亡くなった方から取得した財産については、相続税の申告対象となります(非課税贈与を除く)。

つまり、贈与税はかからなくても、相続税がかかるため、きちんと表に出す必要があるのです。

また、その資金移動の状況によっては、贈与が成立しない場合もあり、その場合には、相続税の申告において相続財産として計上すべき場合もあります(この場合には、3年以内かどうか、110万円以下かどうかは関係ありません)。

難しい相続がさらに難しくなる

平等意識の高まりから、以前に比べ、遺産分けがなかなかまとまらない、決まらない、という傾向が強くなってきています。

相続税の申告をすることを前提として遺産分けの話し合いをする場合、相続税の申告における財産の評価額(相続税評価額)を元に遺産分けをすることがあります(多いです)。

しかし、その評価額は、その財産の価値を表したものではありません。

あくまでも、課税の公平が考慮された、税金計算上の数字です。

ですから、厳密な遺産分けをしようとすると、例えば土地については、不動産鑑定士に鑑定を依頼したり、不動産業者の意見を参考にして、本来の価値はいくらと考えるべきなのか、というところからの話し合いになります。

その上、生前にお金が多額に動いているとなると、特別受益(一部の相続人が亡くなった方から受けた特別な利益)の話が出てきて、どんどん遺産分けのハードルが高くなってしまいます。

想う相続税理士

親御さんの口座からお金を引き出す場合には、その使途などを明確に記録しておき、トラブルにならないようにしましょう。