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特別寄与者が財産を取得した場合の相続税申告の注意点

想う相続税理士、富山です。

今回は、民法改正により新たに創設された特別寄与制度により財産を取得した方がいらっしゃる場合の、相続税申告の注意点について、お話します。

特別の寄与は相続人以外の方限定の制度

特別寄与制度により、相続人以外の方でも、亡くなった方のために尽くされた方は、その献身に対するお金を、相続人に請求することができるようになりました。

民法
第十章 特別の寄与
第千五十条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。

 

相続税法
第4条 遺贈により取得したものとみなす場合
2 特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が確定した場合においては、当該特別寄与者が、当該特別寄与料の額に相当する金額を当該特別寄与者による特別の寄与を受けた被相続人から遺贈により取得したものとみなす。

相続財産を取得したということは・・・

亡くなった方から遺贈により財産を取得したモノとみなされる、ということは、その特別寄与者も相続税の申告が必要になる、ということになります。

相続税は、基本的に、亡くなった方が亡くなった時点において所有していた財産に対して課税されるのですが、相続財産を取得した方が亡くなる前3年以内にその亡くなった方から贈与により取得した財産についても、相続税の課税対象となります。

相続の前に駆け込み的に贈与をして相続財産を減らすことを防止するための規定です。

想う相続税理士秘書

この特別寄与者に対しても、この3年以内贈与加算が適用されるのでしょうか?

特別寄与者も取扱いは同じ

特別寄与者が、亡くなる前3年以内にその亡くなった方から贈与により財産を取得している場合には、通常の相続人などと同様、その贈与財産を相続税の課税対象に含めて相続税の申告をする必要があります。

相続税法基本通達
4-4 分与財産に加算する贈与財産
民法第958条の3の規定により相続財産の分与を受けた者又は同法第1050条の規定による支払いを受けるべき特別寄与料の額が確定した特別寄与者が当該相続に係る被相続人の相続の開始前3年以内に、被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合においては、法第19条の規定の適用があることに留意する。

つまり、相続税の申告をする場合には、その特別寄与者の分も含めて、生前の贈与について確認する必要がある、ということです。

想う相続税理士

特別寄与者は、次の記事にも書いたとおり、亡くなった方の一親等の血族以外である場合には、相続税2割増し計算の対象となりますので、ご注意を。
寄与と特別寄与の違いに注意!