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相続時精算課税における特別控除額と基礎控除額の違い

相続税専門税理士の富山です。

贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税の2種類があります。

今回は、そのうちの相続時精算課税における「特別控除額」「基礎控除額」の違いについて、お話します。

相続時精算課税における特別控除とは?

相続税法(一部抜粋加工)
第21条の12 相続時精算課税に係る贈与税の特別控除
相続時精算課税適用者がその年中において特定贈与者からの贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税については、特定贈与者ごとの前条第1項の規定による控除後の贈与税の課税価格からそれぞれ次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を控除する。
一 2,500万円(既にこの条の規定の適用を受けて控除した金額がある場合には、その金額の合計額を控除した残額)
二 特定贈与者ごとの贈与税の課税価格
2 前項の規定は、期限内申告書に同項の規定により控除を受ける金額、既に同項の規定の適用を受けて控除した金額がある場合の控除した金額その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、第1項の財産について前項の記載がない期限内申告書の提出があつた場合において、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載をした書類の提出があつた場合に限り、第1項の規定を適用することができる。

特定贈与者(あげる人)毎に、相続時精算課税を選択した後の贈与について、2,500万円の特別控除額がある

この金額は、一生涯(その特定贈与者が生きている間の贈与について)の金額である

この特別控除額は、上記条文に「期限内申告書に~記載がある場合に限り、適用する」とあるように、期限内申告を提出しないと適用できない

適用できないということは、期限内申告しなかった場合、特別控除を適用しない金額に対して20%の贈与税を納付しなければならないということ

相続時精算課税における基礎控除とは?

相続税法(令和6年1月1日施行部分・一部抜粋加工)
第21条の11の2 相続時精算課税に係る贈与税の基礎控除
相続時精算課税適用者がその年中において特定贈与者からの贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税については、贈与税の課税価格から60万円(別の措置法の規定で110万円になっている)を控除する。
2 前項の相続時精算課税適用者に係る特定贈与者が2人以上ある場合における各特定贈与者から贈与により取得した財産に係る課税価格から控除する金額の計算については、政令で定める。

相続税法(令和6年1月1日施行部分・一部抜粋加工)
第28条 贈与税の申告書
贈与により財産を取得した者は、その年分の贈与税の課税価格に係る第21条の5、第21条の7及び第21条の8の規定による贈与税額がある場合、又は当該財産が第21条の9第3項の規定の適用を受けるものである場合(第21条の11の2(相続時精算課税に係る贈与税の基礎控除)第1項の規定による控除後の贈与税の課税価格がある場合に限る。)には、その年の翌年2月1日から3月15日までに、課税価格、贈与税額その他財務省令で定める事項を記載した申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない

受贈者(もらう人)毎に、相続時精算課税により贈与を受けた財産について、110万円の基礎控除額がある

特定贈与者が2人以上いる場合でも、合計で110万円である(申告上は按分する)

この金額は、1年間(暦年単位)の金額である

この基礎控除額は、申告しなくても適用できる

特別控除額と基礎控除額の大きな違い

特別控除額適用部分は、贈与税は課税されないが、特定贈与者の相続税の申告において、相続税の課税対象となる

基礎控除額適用部分は、贈与税も課税されず、相続税も課税されない

想う相続税理士

「特別控除額」と言っても、最終的に相続税の課税対象となりますので、ご注意を。