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配偶者居住権を取得された自宅の修繕は誰がやるの?

【今回の相談】

配偶者居住権を取得された自宅の修繕は誰がやるの?

自宅を相続した長男

「修繕するヒト」は順番が決められている

●配偶者は、居住建物の使用及び収益に必要な修繕を「することができる」

想う相続税理士

自宅の修繕が必要になった場合、「誰が修繕するの?」という話になった場合、第1候補になるのが、配偶者居住権を取得している配偶者。

でも、その配偶者は、修繕を「しなければならない」という訳じゃないんです。

「しなければならない」ということにすると、修繕できない場合には追い出されてしまうのか?って話になっちゃいますからね。

だから、「できる」ということで、修繕する権利を与える、というレベルにトドめられています。

配偶者が修繕しない場合には、誰がやるんですか?

想う相続税理士

そこで次に登場するのが、所有者。

この所有者についても、修繕「しなければならない」ではなく、配偶者と同じように、「修繕する権利を与える」という同じレベル。

配偶者に払わせさえすれば負担せずに済む、という考えは甘い

配偶者が修繕しなければ、結局は、所有者が修繕しなければならないんでしょうね?

想う相続税理士

実は、誰が「修繕するか」については、今の話のように「配偶者→所有者」の順番があるんだけど、それと「誰が費用負担するか」の話は、全く別なんです。
どういうことですか?

想う相続税理士

配偶者が、「通常の必要費以外の費用」を支出した場合には、各共同相続人は、その自分の相続分に応じて、配偶者に対して、その「償還しなければならない」ということになっているんです。
「償還」っていうのは、どういう意味ですか?

想う相続税理士

「借りたお金を返す」っていう感じです。

だから、結果的には、所有者が修繕しないと、面倒くさいことになってしまうんです。

修繕の内容によって取扱いが違う

想う相続税理士

ただし、何でもかんでもそういうことになっている、という訳ではなく、その修繕の支出が、「通常の必要費以外の費用」に該当した場合です。
この言葉は、この記事に出てきましたよね。

固定資産税が「通常の必要費」に該当するんですよね。

「配偶者居住権」を取得できない建物もあるので注意

想う相続税理士

そうです。

固定資産税(公租公課)の他に、その建物を「現状維持」するために必要な補修や修繕に係る費用は、「通常の必要費」です。

それは、この記事にもある通り、配偶者が負担しなければなりません。

タダで住んでいるんですから。

「通常の必要費以外の費用」に該当するのは、具体的にはどのようなモノですか?

想う相続税理士

臨時的な災害により、家屋が損傷した場合の修繕費用「臨時の必要費」と言います。)や、リフォームに係る費用「有益費」と言います。有益費の場合には、すぐに償還しなくてもよいケースがあります。)などです。

修繕費は相続税の申告に関係してくるので注意

想う相続税理士

配偶者が「通常の必要費」となるような現状維持のための修繕を工事会社に依頼し、工事が終わったんだけど、支払いがまだの状態で配偶者がお亡くなりになった、というような場合には、その未払分は、その配偶者の「債務」として、債務控除(プラスの財産から控除して相続税を計算)の対象になります。

また、「通常の必要費以外の費用」を配偶者が支出し、各共同相続人が償還しないまま、配偶者がお亡くなりになった、というような場合には、配偶者から見れば「未入金」となっている、言わば「債権」ですので、配偶者の相続財産(「未収入金」)として申告対象になりますので、ご注意を。

配偶者に課せられた義務がある

そもそもの話になってしまい申し訳ないんですけど、所有者に「修繕する権利を与える」という話がありましたが、所有者は、修繕が必要かどうかって、どう分かるんですか?そんなの分からなくないですか?

想う相続税理士

それについては、配偶者に対し、所有者に修繕が必要なことを通知する義務を負わせているんです。

所有者は、配偶者から教えてもらうんです。

なるほど。