【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

相続した非上場株式をその発行会社に売却したらどうなる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続により非上場株式を取得した後、その株式を発行会社に売却した場合の取扱いについて、お話します。


相続税専門税理士に任せてスッキリ!
相続税専門税理士が直接対応
事前予約で土日祝日夜間対応可能
明確な料金体系+スピード対応
大手生命保険会社様で相続税・贈与税に関するセミナー講師の実績有(最近の実績:令和5年11月・令和5年12月・令和6年2月)

または はこちらから


非上場株式は売れないし売っちゃダメ

非上場株式は、その会社の業績や財政状態が良かったりすると、相続税申告における評価額が高くなります。

評価額が高いと、その分、相続税も高くなります。

これが上場株式であれば、評価額や相続税が高くても、簡単に売却できるため、お金に換えることができ、相続税もその換えたお金で納めることができます。

しかし、非上場株式は、市場流通性がないため、簡単に売却できません。

また、売却してはいけないのです(普通は)。

通常、非上場会社は、親族が株式を100%所有することで、その会社に対する経営権や支配権を独占し、(その親族にとって)安定した経営をすることが可能になっています。

仮に第三者に株式を全部売却したら、その会社はその第三者のモノになってしまいます。

非上場株式を発行会社に売るメリット

相続が発生し、相続人であるあなたが、亡くなった方が全株所有していた非上場会社A社の株式を1,000株(全株)相続したとします。

上記でお話したように、(会社に対する経営権や支配権を手放してもいい、という場合を除き)この株式は外部に売れません。

しかし、売ってお金に換えないと相続税が払えない場合、どうすればいいのでしょうか?

納税資金を確保できる分だけ、そのA社の株式をA社に売るのです。

1,000株のうち、300株をA社に売却して、それで得た売却代金で相続税を納めるのです。

300株を売却しても、残りの700株(全株)を所有しています。

300株は、あなたが所有しているA社が所有しています(「金庫株」といいます)ので心配ありません(第三者が所有しているワケではありません)。

会社の経営権や支配権を手放さず、納税資金を得ることができます。

非上場株式を発行会社に売る場合の税制上の特例

非上場会社の株式を相続し、すぐにその株式を発行会社に売却したとしても、いったん相続したことには変わりません。

つまり、「相続」「譲渡」(売却)という2つの行為をしており、それぞれの課税対象に税金(相続税・所得税)がかかります。

ただし、この場合、所得税については特例が用意されています。

相続税額を取得費に加算する特例

「譲渡所得」(非上場株式を売却した儲け)を計算する際、一定の要件に該当すれば、相続税の一部を経費にすることができます。

つまり、相続税を払った分、所得税が安くなります。

譲渡対価の全額を譲渡所得の収入金額とする特例

非上場会社の株式を発行会社に売却する際、発行会社から売却代金を受け取ります。

この「発行会社から受け取る売却代金」の中には、税務上「配当金」とみなされるモノが含まれる場合があります。

「配当金」「配当所得」として課税されるため、所得税が高額になる場合があります。

しかし、一定の要件に該当すれば、この「配当所得」部分も「譲渡所得」として20.315%の所得税の課税でOKということになっています。

想う相続税理士

金庫株を実行に移す場合には、きちんとした手続き(や確認)を踏んで実行しましょう。