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地積規模の大きな宅地の評価は市街化調整区域では無理?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、市街化調整区域の宅地に、地積規模の大きな宅地の評価を適用できるかどうか、ということについて、お話します。

広い土地が安く評価できる理由は?

「地積規模の大きな宅地の評価」とは、大雑把に言うと、「一定の広い土地については安く評価する」というものです。

「地積規模の大きな宅地の評価」の前に、「広大地の評価」というものがありました。

広大地とは、その地域における標準的な宅地の面積に比べて著しく面積が広大な宅地で、「開発行為」を行う場合に、道路や公園などの公共公益的施設用地を作る必要がある宅地のことを言います。

元から一戸建てを建てるのに適した面積の宅地であれば、ロケーションが悪かったりしなければ、すぐに買い手はつくでしょうし、適正な値段で売れるハズです。

ところが、広い土地ですと、一般の方が購入しても土地を持て余す結果となってしまいますから、通常はディベロッパーと呼ばれる開発業者の方に購入してもらうことになります。

開発業者の方は、その購入した広い土地を、戸建住宅を建てるのにちょうど良い大きさに切って売ることになるワケですが、そのような土地の区画形質の変更(これを「開発行為」と言います)をする場合には、都道府県知事等の許可が必要な場合があります。

その許可にはいくつか基準があるのですが、道路・公園・給排水施設等の確保や、防災上の措置等に関する基準(「技術基準」)というものがあり、それに伴って道路や公園などを作らなければならなくなる、ということになります。

つまり、買ってもそのまま売れるワケではなく(土地を切るのにもお金がかかります)、また道路などになる部分については売れない(お金にならない)という事情があるため、広い土地だと価値が下がる(価値が低い)という側面があるワケです。

この「広大地の評価」が、形を変え、今は「地籍規模の大きな宅地の評価」となっています。

市街化調整区域は基本的には対象外

上記のような「広大地の評価」の主旨を踏まえて考えると、市街化調整区域は、地積規模の大きな宅地の評価の対象には、基本的にはなり得ません。

なぜかというと、市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域とする」と規定されていて、原則として、宅地造成に係る開発行為を行うことが認められていない地域だからです。

ということは、戸建住宅用地として土地を切り売りするということが基本的に不可能なワケですから、「道路や公園なんかを作る必要は出てこない=適用対象外ということなんです。

市街化調整区域でも開発行為ができる場合がある!

ところが、このような市街化調整区域内に所在する宅地であっても、都市計画法第34条第10号または第11号に規定するエリアにおいては、特例的に開発行為が認められる場合があります。

そうなると、戸建住宅用地としての分割分譲が法的に可能になるケースがあり、その場合、その地域に所在する宅地については、地籍規模の大きな宅地に該当し得る、ということになります。

ただし、この都市計画法第34条第10号または第11号の規定に基づいて開発許可の対象とされる建築物の用途等については、地区計画、集落地区計画または条例により定められるため、それぞれの地域によってその内容が異なることとなります。

ですから、開発行為が認められるエリアに該当したとしても、「宅地分譲にかかる開発」が認められるかどうかを確認する必要があります。

想う相続税理士

店舗の開発は認められるけれども、宅地分譲に係る開発はできない、というような場合もありますので、ご注意を。