【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

【税理士が解説】相続税の3年以内贈与加算は「3年+1日」加算!

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続開始前3年以内の贈与加算の期間について、お話します。


相続税専門税理士に任せてスッキリ!
相続税専門税理士が直接対応
事前予約で土日祝日夜間対応可能
明確な料金体系+スピード対応
大手生命保険会社様で相続税・贈与税に関するセミナー講師の実績有(最近の実績:令和5年11月・令和5年12月・令和6年2月)

または はこちらから


亡くなる直前に贈与しても相続税は安くならない

相続税法には、次のような規定があります。

相続税法
第19条 相続開始前3年以内に贈与があつた場合の相続税額(一部抜粋)
相続又は遺贈により財産を取得した者が相続の開始前3年以内に被相続人(亡くなった方)から贈与により取得した財産の価額を相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価格とみなし、~

相続税を安くするために、相続開始前3年以内に贈与により財産を減らしても、その贈与財産は相続税の対象になる(節税にならない)、ということです。

3年以内っていつから?

この3年以内って、いつからになるんでしょう?

実は、出だしがポイントです。

民法には、次のように書かれています。

民法(一部抜粋)
(期間の起算)
第百四十条 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない

今日からさかのぼって3年なのですが、今日は入れません。

つまり、昨日(令和4年3月29日)から数えます。

昨日が「起算日」になります。

昨日から数えて3年前にさかのぼるのですが、何日まで数えるかについても、民法に規定があります。

民法(一部抜粋)
(暦による期間の計算)
第百四十三条
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。

想う相続税理士

国税通則法第10条にも、ほぼ同じ文章の規定があります。

「起算日に応当する日の前日」です。

つまり、3年前の起算日に応答する日(平成31年3月29日)の前日です。

この場合の「前日」は、暦の上での前日ではありません。

現在からさかのぼって過去に向かっていった場合の1日手前の日です。

ですから、平成31年3月30日となります。

つまり、平成31年3月30日以後の贈与が加算の対象になる、ということです。

亡くなった当日の贈与も当然加算の対象

「平成31年3月30日から3年間」だと、「平成31年3月30日~令和4年3月29日」です。

最初と最後は「30日」「29日」で1日ズレます。

「今年1年間」は、「令和4年1月1日~令和4年12月31日」です。

「1日」「31日」で1日ズレていますよね。

「令和4年1月1日~令和5年1月1日」と日付がズレない場合には、今年1年+来年1日=「1年+1日」ということになります。

想う相続税理士秘書

3年の期間計算をする上での起算日が昨日(令和4年3月29日)になるだけであり、3年以内贈与加算の対象期間の起算日は、今日(令和4年3月30日)です。

今日、亡くなる直前に贈与により取得した財産(例えば、午前11時に亡くなられた場合に、午前10時に贈与により取得した財産)も対象です。

結果として、「平成31年3月30日~令和4年3月30日」が加算対象期間となりますので、3年と1日分の贈与を加算する、ということになります。

想う相続税理士

「今日から数えて3年以内だと、3年前の今日(平成31年3月30日)の贈与はギリギリセーフだな」とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません(3年前の今日までが対象となります)ので、ご注意を。