1日1記事(前倒し有)ブログ【745記事】

住宅ローン控除と住宅取得等資金の非課税贈与は併用できる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、自宅を購入した際、その購入資金を借入金と親御さんなどからの非課税贈与でまかなう場合の注意点について、お話します。

住宅取得等資金の非課税贈与には限度額がある

親御さんなどからマイホームの新築や取得等に充てるためのお金の贈与を受けた場合には、一定の要件を満たせば、非課税特例が認められます。

想う相続税理士

令和4年度税制改正により、適用期限が令和3年12月31日から2年間延長される見込みです。

しかし、その非課税となる金額には、限度額があります。

その限度額は、住宅の性能などによって異なりますが、その限度額が1,000万円だとすると、その非課税限度額に、暦年課税贈与の場合110万円の非課税枠を加算した1,100万円を超える部分については、贈与税が課税される、ということになります。

マイホームの購入資金が1,110万を超える場合で、自己資金がない、または、自己資金を出したくない場合には、金融機関からの借入れ(住宅ローン)を検討することになります。

マイホームの購入に必要なお金のうち、一部については非課税贈与資金、残りについては住宅ローンによる借入金でまかない、確定申告や年末調整で住宅ローン控除の適用を受けることができます。

つまり、両制度は併用できる、ということです。

「贈与+住宅ローン」がマイホームの金額を超えてしまったら?

「非課税贈与の金額+住宅ローンの金額=マイホームの購入金額」
となれば話は分かりやすいのですが、
「非課税贈与の金額+住宅ローンの金額>マイホームの購入金額」
となった場合にはどうなるでしょうか?

準備したお金が余ってしまう、ということになりますから、贈与と住宅ローンのどちらか(またはどちらも)に、マイホームの購入に充てられない部分が出てきてしまう、ということになります。

どちらの制度も、そのお金を住宅の購入に充てるということが前提になっているため、充てられていないとなれば、贈与税は課税になりますし、住宅ローン控除は不適用となります。

住宅取得等資金の非課税贈与が先と考える

どちらの特例の適用も受ける場合には、贈与税の申告もし、かつ、所得税の確定申告もする、ということになります。

マイホームの引渡しを受けた後に親御さんなどから住宅購入資金の贈与を受けたとしても、既にマイホームは手に入れた後ですから、それは「住宅取得等資金」ではありません。

購入代金の決済は済んでいるんですから、お金をもらっても、家の購入には充てられません。

充てられるとすれば、住宅ローン控除の返済に充てるワケですから、名前を付けるとすれば、「住宅ローン返済資金」贈与であって、「住宅取得等資金」贈与ではありません。

「住宅ローン返済資金」贈与に、非課税の特例はありません。

想う相続税理士秘書

非課税の贈与税申告ができるということは、家が建つ前に親御さんなどから贈与を受け、そのお金をマイホームの購入に充てているはずです。

充てていないと非課税特例は適用できません。

ということは、住宅ローンの方がマイホームの購入に充てられていない部分が出てくる、ということになります。

この場合、マイホームの購入代金が3,000万円で、1,000万円の非課税贈与を受けているとすれば、マイホームのうち1,000万円部分は贈与資金で購入したことになり、マイホームの残りの部分は2,000万円になりますから、住宅ローンを3,000万円で組んだとしても、2,000万円部分にしか住宅ローン控除は適用できない、ということになります。

想う相続税理士

住宅ローン控除は、借入金の残高とマイホームの購入金額のいずれか少ない金額に対して%を掛けて計算しますが、そのマイホームの購入金額が3,000万円ではなく、贈与額控除後の2,000万円で計算される、ということになります。