【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

相続があった時に相続人の方に最初に迫られる選択とは?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続人の方が最初に迫られる選択について、お話します。

相続があったら財産を相続しなければならないと思っていますか?

いえ、そんなことはありません。


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単純承認

相続があると、亡くなった方の財産や債務は、相続人の方の共有財産になります。

民法(一部抜粋加工)
(共同相続の効力)
第八百九十八条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する
第八百九十九条 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する

つまり、相続人の方は、何もしなければ、自動的に財産や債務を承継することになります。

これを「単純承認」と言います。

これが基本です。

財産を相続することを希望しているかどうかは関係ありません。

実際に何を相続するか、相続人の皆様でどのように相続するかは、遺産分割協議で決めることになります。

結果として、自分が財産をもらわない、という内容で遺産分けが決まることもありますが、遺産分けが決まるまでは、財産は共有状態です。

相続放棄

上記の「単純承認」と異なり、財産を全く相続しない、という選択肢もあります。

それが「相続放棄」です。

家庭裁判所で手続きをする必要がありますが、それには3ヶ月という期限があります。

民法(一部抜粋加工)
(相続の放棄の方式)
第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない
(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

この「3ヶ月」という期限がありますから、この3ヶ月以内に何もしなければ、最初にお話した「単純承認」になる、ということになります。

また、「相続放棄」をしたつもりでも、相続財産を処分したりすると、「単純承認」を選択したものとみなされます。

民法(一部抜粋加工)
(法定単純承認)
第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

限定承認

「相続放棄」をすると、相続人ではなくなるので、相続財産を相続できなくなります。

民法(一部抜粋)
(相続の放棄の効力)
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす

「単純承認」だと、自分が何を相続するかは、遺産分割協議にゆだねられるため、希望どおりの遺産分けになるか分かりません。

話し合いの結果によっては、債務を引き継ぐこともあります。

「単純承認」「相続放棄」の間と言っては何ですが、相続人の方が相続したプラスの財産の金額を限度として、債務の負担を引き継ぐ「限定承認」というモノがあります。

債務の金額がプラスの財産の金額を超える場合には、その超える部分は引き継がなくてよくなります。

逆に、プラスの財産の金額が債務の金額を超える場合には、その差引後の正味財産を実質的に相続できる、ということになります。

ただし、この「限定承認」を選択すると、「みなし譲渡」の問題が発生しますので、注意が必要です。

詳しくは、下記の記事をご覧ください。

想う相続税理士秘書

安易に限定承認をすると所得税に苦しめられますよ!

想う相続税理士

相続放棄をしても、生命保険金を受け取ることができます。

ただし、その生命保険金は相続税の課税対象になります(相続放棄をすると生命保険金の非課税枠が使えなくなります)ので、財産の金額によっては、相続放棄をしても相続税の申告が必要になる場合がありますので、ご注意を。