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遺言と異なる遺産分けをしたら贈与になる?

この記事の結論
遺言と異なる遺産分けをしても、きちんと一定の手続きを経ていれば、相続税や贈与税を計算する上では、本来財産をもらえる相続人から贈与があったものと考える必要はありません。

通常は、相続人間の遺産分割協議により、誰がどの財産を相続するかを話し合い、遺産分けを行う

しかし、遺言があれば、遺言どおりに遺産分けを行うことができる

ということは、遺言があるのに、その内容と異なる遺産分けをした場合、例えば、長男に全財産を相続させる、という遺言があるのに、長男と長女が遺産分割協議により財産を半分ずつ相続した場合、長女が取得した財産は、本来長男が取得すべきモノだから、いったん長男が取得した後、長男から長女へ贈与があったものと考えて、長女は贈与税の申告をしなければならないのか、という疑義が生じる

この場合、長男は遺言により財産を取得することを放棄し、相続人全員で遺産分けをしたことになるので、贈与があったものと考える必要はない

民法
(遺産の分割の協議又は審判等)
第九百七条 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

ただし、上記に「遺言で禁じた場合を除き」とあるように、遺言により遺産分割が禁止されている場合には遺産分割協議は不可能

また、遺言により相続人以外の方が財産の取得者とされている場合には、その相続人以外の方の了承も必要

各相続人が遺言の内容を知った上で、遺産分割することが必要(遺言があることを隠しちゃダメ)

遺言により遺言執行者が指定されている場合には、その遺言執行者の了承も必要

包括遺贈(割合で相続させる遺言)の場合には、相続を放棄する場合と同じように、3ヶ月以内に家庭裁判所での手続きが必要

国税庁タックスアンサー
No.4176 遺言書の内容と異なる遺産分割をした場合の相続税と贈与税

特定の相続人に全部の遺産を与える旨の遺言書がある場合に、相続人全員で遺言書の内容と異なった遺産分割をしたときには、受遺者である相続人が遺贈を事実上放棄し、共同相続人間で遺産分割が行われたとみるのが相当です。したがって、各人の相続税の課税価格は、相続人全員で行われた分割協議の内容によることとなります。

なお、受遺者である相続人から他の相続人に対して贈与があったものとして贈与税が課されることにはなりません。

想う相続税理士

遺言の内容をきちんと確認しましょう。