【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

遺産未分割で相続税の申告をした後に遺産分割が確定した場合の注意点

相続税専門税理士の富山です。

今回は、遺産未分割の状態で当初申告をし、その後、遺産分けが確定した場合の注意点について、お話します。


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相続税は自分がもらった財産だけでは計算できない

相続税は、相続で財産を取得した方ごとに個々に(別々に)税額を計算するのではなく、いったん全財産に対する相続税(「相続税の総額」)を計算し、その全体の相続税に対して、財産の取得割合を乗じて個々の税額を計算します。

例えば、Aさんが相続で2,000万円の財産を取得した場合、Aさんの相続税は、その2,000万円に15%などの税率を掛けて計算するのではありません。

まず、他の方がもらった財産なども含めて、トータルの相続財産に対する相続税を計算します。

トータルの相続財産が1億円・それに対する全体の相続税が500万円だったとしたら、Aさんの財産の取得割合は20%(=2,000万円/1億円)ですから、500万円×20%=100万円がAさんの相続税ということになります(他に計算要素がないものと仮定)。

遺産未分割でも相続税の申告は必要

上記でお話したように、財産の取得割合で相続税が決まります。

極端なことを言えば、財産の取得割合が0%(財産を全く取得しない)という場合には、相続税はかかりません。

しかし、これは遺産分割が確定した場合の話です。

遺産分割協議が成立していない場合には、原則として、相続人の方などが法定相続分に従って財産を取得したものとして相続税の計算をすることになっています。

「えっ?遺産分割協議が成立していないってことは、財産を取得していないっていうことなんだから、相続税は計算されないんじゃないの?」と考えたら大間違いです。

相続税の申告と納税は、亡くなったことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から10ヶ月以内にしなければなりません。

遺産分割協議が成立していなくても、です。

遺産分けがまとまらないからと言って、期限が延長されることはありません。

分割見込書を提出して相続税を精算するのは義務?

遺産未分割で申告した後、遺産分割が確定したら、通常は、再度、相続税の手続きをします。

「当初申告のベースとなった法定相続分」よりも多く相続する方は、修正申告により追加の相続税を納め、少なく相続することになった方は、更正の請求により相続税を還付してもらいます。

しかし、これは「義務」ではありません。

「できる」規定(やってもいいよ、という規定)です。

ですから、「やらない」という選択肢も、実はあるのです。

通常は、財産の取得者が確定すれば、「配偶者の税額軽減」「小規模宅地等の特例」を新たに適用することができることにより、トータルの相続税が安くなることが多いため、当初申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」というモノを提出しておき(この見込書を提出することが、後から特例の適用を受けるための要件となっています)、遺産分割確定後の修正申告や更正の請求において、これらの特例の適用を受ける流れになります。

想う相続税理士秘書

法定相続分よりも多く相続する方(例えばBさん)は、追加で相続税を払いたくないですから、修正申告なんてしたくない、と考えるかもしれません。

しかし、法定相続分よりも少なく相続する方(例えばCさん)は、相続税が還付されるワケですから、更正の請求をしたいハズです(自分が相続しない分の財産に対する相続税も負担している状態ですからね)。

この場合、Bさんが修正申告をせず、Cさんが更正の請求をする、ということが可能なのですが、これだと、Bさんが法定相続分を超えて相続した財産について、税務署が相続税を取りっぱぐれてしまいます。

そこで、このような場合には、Bさんが修正申告をしなくても、「更正」(「決定」の場合も有)という手続きにより、税務署はBさんに追加の相続税を課税することができるようになっています。

想う相続税理士

後から遺産分割が確定した場合には、その後、どのように相続税の手続きを進めるか、きちんと確認し合いましょう。

そうしないと、CさんがBさんから「あなたが更正の請求をするから、私が更正処分を受けちゃったじゃないか!」なんて文句を言われてしまう可能性がありますので、ご注意を。