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相続税専門税理士による「やってはいけない」の記事に軽くツッコミ!

遺言書を用意した方がいい?

遺言書を用意して、遺産の分け方を指定する
遺言書があれば、相続人全員の同意を取る必要なし

遺言書は書いた方がいいとは思いますが、遺言を書きさえすれば、遺産分けが100%そのとおりになる、というモノではありません。

遺言による財産の取り分が少ない相続人が、遺留分の侵害額請求をすれば、請求された方は、その請求してきた相続人の遺留分相当額のお金を支払わなければなりません。

遺言により財産を取得できたとしても、出ていくお金が発生すれば、実質的には財産が目減りします。

法務局の自筆証書遺言保管制度は完璧?

遺言を書いたら、法務局に預ける
書式が正しいか確認してくれる。改竄(かいざん)の心配も消える

令和2年から、法務局において、自筆証書遺言を、原本については相続後50年間、その画像データについては150年間保存してもらえる制度が開始されています。

法務局において、民法の定める自筆証書遺言の形式に適合するかの外形的なチェックはしてもらえますが、遺言の内容や、遺言者が意思能力を有しているかどうかのチェックはありません。

つまり、法務局の制度による遺言だったとしても、必ずしもその遺言が有効だとは限らないのです。

配偶者に全財産を相続させた方がいい?

財産は子どもに分けず、妻に全額相続させる
子供の同意があれば遺留分侵害額請求も起こらない

残された配偶者の方がご高齢だったりすると、確かに今後の生活資金等についてご不安になることも多いと思います。

とはいえ、親に相続が発生する時は、子供も家や自分の子供の教育などにお金がかかるタイミングだったりします。

確かに、住宅取得等資金の非課税制度や、結婚・子育て資金の非課税制度があり、また、(必要な都度の贈与であることが要件ですが)扶養義務者からの生活費等の贈与は非課税であるため、それらを利用して相続の後に配偶者の方から子供に贈与することも可能ですが、お金がもらえるならボーンとまとめて欲しい、というニーズもあるはずです。

子供の家の財政状態も確認しましょう。

想う相続税理士

何がベストかは、そのお家ごとの事情により違うハズです。

ネットや雑誌などに「こういう時にはこうした方がいい」という情報があったとしても、それをそのまま鵜呑みにするのではなく、「なぜそう言っているのか」を考え、それが自分の家の相続に合っているか、きちんと検証するようにしましょう。