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相続税申告をするなら知ってて当たり前な6つのコト


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遺産分けは共有を回避せよ


想う相続税理士

財産の「共有」についてのお話です。

共有状態になるのは相続税の申告期限も一因

想う相続税理士

遺産分けに期限はありません。

しかし、相続税の申告期限は、相続発生から10ヶ月以内です。

遺産分けが完了していることを要件に認められる特例もあるため、申告期限までの遺産分け完了を目指します。

申告期限までに遺産分けが完了してない場合には、いったんその(未分割の)状態で申告し、遺産分けが決まったら、再度その内容で申告し直すことができますが、二度もやるのは大変ですから、できれば一発で決めたいところです。

しかし、最後まで誰がもらうか決まらない財産も出てきます。

このような場合、「じゃあ、みんなの共有にしよう」という案が出てくることがありますが、これはできるだけ避けていただきたいです。

共有のデメリットとは?

共有の財産は、「持ち主が複数人の財産」ということになります。

例えば、その財産がアパートだとすると、その家賃は、その各相続人が自分の持分割合に応じて懐に入れることができます。

しかし、その財産を処分しようとしたり、新たに何かに使おうとしようとする場合には、その共有者全員の同意が必要となります。

誰か1人が反対すると、何もできない財産ということになります。

想う相続税理士

共有は相続が発生するとさらに大変

想う相続税理士

相続の際に、仲の良い兄弟間で共有で取得したとしても、その兄弟がお亡くなりになった場合、そのお亡くなりになった方の共有持分は、その方の子供などの相続人に移転することになります。

共有者間の関係が変わります。

さらに、動かしにくい財産になってしまいます。

一番気を付けなければならないのは同族会社の株式

相続財産の中に、親族で経営する同族会社の株式がある場合には、特に注意が必要です。

同族会社の株式の価値は、経営権です。

簡単に売り買いできる市場価値はありません。

子供2人が会社に入って仕事をしている、という場合、その子供2人に同数の株式を相続させると、経営権が二分します。

常に2人が意見を合わせることが必要となります。

基本的には、後継者1人に経営権を集中させ、スピードのある意思決定ができるようにする必要があります。

「毛利元就の三本の矢」戦法でいくのならいいでしょう。

でも、客観的に、冷静に考えて、経営権が二分するリスクがあると思うなら、原則通り、後継者1人に相続させましょう。

想う相続税理士

暦年課税贈与による相続税節税対策で共有化を引き起こさないように

想う相続税理士

これは、相続だけではなく、贈与の場合にも注意しなければなりません。

通常の贈与(暦年課税贈与)は、年間110万円の非課税枠があります。

もらう人ベースで110万円です。

ということは、もらう人が2人いれば、110万円×2人=220万円まで非課税です。

もらう人をどんどん増やして、一気に節税を図ろうとする誘惑に駆られます。

相続財産を減らすために、生前贈与をするのはいいのですが、もらう人を増やして、一度に贈与できる金額を増やそうとすると、色々な人に株式をばらまくことになります。

こうなると、社長は大変です。

また、もらった方も、「こんな換金価値のない財産いらない、自分の相続の時に子供に相続税がかかったら、たまったもんじゃない」と思っているかもしれません。

それでも贈与した場合、その後、社長がその株式を買い取る羽目になるでしょう。

その時の会社の業績や財政状態が抜群だと、株価も上がり、高い金額で買い取ることになるかも。

ですから、会社の株式は、最初から後継者1人の方がスムーズです。

配偶者の税額軽減の特例の適用を受けて相続税を下げる


想う相続税理士

相続税の計算においては、申告期限までに遺産分けが完了していれば、相続税を安くするような特例があります。

これらの特例を積極的に適用して、相続税を安くしましょう(ただし、次の相続=「二次相続」もちゃんと考慮することをお忘れなく)。

その代表的なものが、配偶者の税額軽減です。

亡くなった方の配偶者が相続した財産のうち、
正味財産の金額×法定相続分(お子さんがいれば2分の1)
または
1億6,000万円
のいずれか多い金額までは、相続税がかかりません

相続税の申告期限までに遺産分けが済んでいる財産については、この特例の適用が受けられるのですが、全部の財産について遺産分けが終わっていなくても、部分的に終わっていれば、その終わっている部分については特例の適用対象となります。

相続税の申告期限は亡くなってから10ヶ月以内なので、その期間内に遺産分けが終わらなかった財産については、この配偶者の税額軽減の適用が受けられず仕舞いになってしまうのでは、とお思いになるかもしれませんが、そんなことはなく、適用期限を延長することができます。

相続税の申告書を提出する時に、「申告期限後3年以内の分割見込書」というものを添付しておけば、申告期限から3年以内に分割された場合、この特例の適用を受けることができます。

また、申告期限から3年を経過する日までに分割できない場合であっても、やむを得ない事情があって、税務署長の承認を受けていれば、その事情がなくなった日の翌日から4ヶ月以内に分割されたときは、これまた特例の適用を受けることができます。

あなたが同族会社の役員なら相続税の納税資金対策のためにやっておくべきこと・やるべきこと


想う相続税理士

相続税は、亡くなってから10ヶ月以内に納める必要があります。

「10ヶ月あれば余裕」と思うかもしれませんが、あっという間です。

相続税の試算をして、その税額を、相続財産の中の現預金で払えるかどうか、まずは確認してみてください。

難しそうだったら、納税資金対策を検討しましょう。

会社の役員
なら
死亡退職金

中小企業の経営者なら、会社から死亡退職金を支給できるようにしておきましょう。

会社を財布代わりにする感じです。

死亡退職金には、納税資金を生み出すための、次のようなメリットがあります。

税負担が少ない

500万円×法定相続人の数非課税枠があります。

法定相続人が3人だったら、500万円×3人=1,500万円までは非課税。

相続しても、相続税がかからないってことです。

遺産分けの対象外にできる

退職金規程を作っておけば、受取人を決めておけます。

例えば、「配偶者」って決めておけば、配偶者に払えちゃいます。

子供にあげなくても大丈夫。

決まっていれば、遺産分けの対象外。

決まっていないと、相続人全員で話し合いで決めることになっちゃいますからね!

株価が下がる

会社の役員であれば、その会社の株式を持っている場合が多いと思います。。

会社が死亡退職金を払うことにより、株価が下がります!

つまり、相続財産の評価額を下げることにより、相続税も少なくできるってことです。

想う相続税理士

相続後に「所得税」の税務調査の電話?その理由はこれかも


想う相続税理士

「死亡保険金」についてお話したいと思います。

死亡保険金
の課税関係
は3パターン

お亡くなりになった方に掛けていた保険でも、保険料負担者(通常は「契約者」)と受取人によって、払う税金は変わります。

お亡くなりになった方が自分で掛けていたら相続税

夫が自分を被保険者(その方がお亡くなりになったら保険が下りる、という場合の、その方のこと)として保険料を支払い、夫が死亡したときに、妻や子が死亡保険金を取得する、というケースがこれに当たります。

一番多いパターンでしょうね。

この場合、夫から相続により取得したものとみなされて、相続税が課税されます。

お亡くなりになった方以外の方が契約者として保険を掛けていて、その契約者が死亡保険金を取得したら所得税

子が父を被保険者として保険料を支払い、父が死亡したときに、子が死亡保険金を取得する、というケースがこれに当たります。

一時金で取得した場合には、「一時所得」として課税されます。

年金形式で取得した場合には、「雑所得」として課税されます。

「最近相続があって、財産が少なかったから相続税は全然かからなかったんだけど、税務署から所得税の税務調査の電話がかかってきたんだよね。何でだろう?」という場合には、この一時所得・雑所得の申告もれの可能性があります。

「人が亡くなって保険金をもらったんだから、相続税の対象でしょ!」と思うかもしれませんが、違うのです。

お亡くなりになった方以外の方が契約者として保険を掛けていて、その契約者以外の方が死亡保険金を取得したら贈与税

妻が夫を被保険者として保険料を支払い、夫が死亡したときに、子が死亡保険金を取得する、というケースがこれに当たります。

所得税なら毎年確定申告をされている方もいらっしゃって、まだ馴染みがある方も多いかもしれませんが、贈与税となると「ノーマーク」の方が多いでしょうから、これも申告もれが生じやすいでしょうね。

保険契約の
変更を
すると
課税関係が
複数になり
申告も
複数必要

保険の契約内容は、途中で変えることができるのですが、例えば、子を受取人、夫を被保険者として、妻が保険を契約し保険料を負担していたけれども、妻がお金が無くなってしまったので、契約者を子に変えて、子が保険料を負担することにした、そして夫がお亡くなりになった、という場合、課税関係はどうなると思いますか?

1つの死亡保険金のうち、妻が保険料を負担した部分には贈与税(妻から子への贈与)、子が保険料を負担した部分には所得税(子から子、つまり自分の所得)が課税されるのです。

つまりこの場合、相続税の申告は必要なく、贈与税の申告と、所得税の申告が必要となります。

上級者向けサポート
「契約者を変更すること自体、それは保険契約の贈与になってしまうのでは?」なんてプロっぽい視点をお持ちの方は、こちらをご参照ください。
(国税庁)生命保険契約について契約者変更があった場合

平成30年
から
保険契約の
変更は
保険金の
支払時に
保険会社
から
税務署に
通知
されている

保険会社は、保険金を支払った場合、その内容を税務署に「支払調書」という書類により通知します。

この通知項目についての改正があり、従来は保険料についてはその総額の通知だけでしたが、現契約者が払い込んだ保険料の金額や、契約者が変更された回数などが追加されています。

あなたが
気が
つかなく
ても
税務署には
すぐ分かる

想う相続税理士

確定申告の時期です。

昨年相続があった方は、税務調査の電話が来ないように、「所得税課税パターン」の死亡保険金を受け取っていないかチェックしてみてください。

既に保険会社は、平成30年分の支払調書を先月のうちに税務署に提出していますよ!

相続税の「家なき子特例」封じの税制改正って何なの?


相続税には、「生活に必要な財産にフルに相続税を課税しちゃカワイソウ」という考え方があります。

その中の1つが、「家なき子特例」です。

土地を100坪まで80%オフで評価することができます。

この特例には次のような要件があります。

財産の要件

亡くなった方には配偶者がいない、そして、同居相続人がいない(ちなみに、同居相続人が相続放棄しても同居相続人がいないことにははなりません)、そんな亡くなった方が住んでいた宅地です。

取得者の
要件

取得者は別居相続人(亡くなった方と一緒に住んでいない人)で、死亡前3年以内に別居相続人又は別居相続人の配偶者が所有する家に住んだことがない

持ち家がないから「家なき子」!です。

実はこれと似たもので、同居相続人が相続した場合にも、100坪まで80%オフが認められています。

相続税がフルにかかっちゃって、同居親族がその家を売って相続税を払うことになっちゃったらカワイソウですからね。

とはいえ、同居相続人ばっかりかわいがったら、今度は別居相続人がカワイソウです。

これとバランスを取った感じですね。

でも、この家なき子特例、例えば、子供(亡くなった人から見れば孫)や自分の会社に自宅を売却して、それを子供や会社から借りて住んでもOKだったんです。

そういう抜け穴があったんです。

そこで、

(1)別居相続人・  別居相続人の配偶者
だけじゃなく
3親等内の親族・関係する同族会社や一般社団法人等
が所有する家に住んでいる別居相続人はダメ

(2)別居相続人が住んでいる家が、その時には持ち家じゃないけど、昔は持ち家だった、なんてのもダメ

ということになりました。

家があっても「家なき子特例」が適用できる


想う相続税理士

小規模宅地等の特例の中の「家なき子特例」のお話です。

「家なき子特例」が改正されました

「小規模宅地等の特例」とは?

想う相続税理士

相続税の計算では、「お亡くなりになった方やその親族が、住んでいた、または、事業に使っていた土地について、一定の面積まで8割引で土地の値段を計算していい」という「小規模宅地等の特例」があります。

「住むため」「お金を稼ぐため」の土地ですからね。

税金を安くしてくれるのです。

「家なき子特例」とは?

この小規模宅地等の特例が、平成30年度の税制改正において、一部改正されました。

何が改正されたのかと言うと、「家なき子特例」と言われる部分です。

この家なき子特例は、「持ち家のない相続人に認められる特例」というニュアンスで、そのように呼ばれています。

想う相続税理士

「家なき子特例」の改正の内容とは?

想う相続税理士

平成30年度の税制改正により、持ち家がない相続人でも、次のようなケースでは、特例が受けられなくなりました。
(アウト1)子供が持家を同族会社に売却し(その後、親が亡くなるまでに3年経過していることも要件です)、その家を同族会社から借りて住んでいる場合
持ち家がなくても、その住んでいる家は後からお話する新要件の「昔所有していた家」に該当するため、アウトになりました。

想う相続税理士

(アウト2)子供が親の所有する家に住んでいた場合

想う相続税理士

持ち家がなくても、その住んでいる家は新要件の「三親等内の親族が所有している家」に該当するため、アウトになりました。

本当に持ち家があったら受けられないの?

この改正、税務署が、抜け穴的パターンを封じたかった、ということなんでしょうが、そもそもこの規定、本当に持ち家があったらダメなのでしょうか?

ちょっと要件を検証してみましょう。

想う相続税理士

宅地の要件

被相続人の居住の用に供されていた宅地等

想う相続税理士

お亡くなりになった方が住んでいた宅地、ということになります。

建物の所有者については、要件がありません。

ということは、持ち家があってもいいのです。

取得者の要件

「被相続人の配偶者」「被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族」以外の親族
後から見ていきますが、お亡くなりになった方に配偶者がいないことが要件になっていますので、結論としては「別居親族」ということになります。

想う相続税理士

居住制限納税義務者又は非居住制限納税義務者のうち日本国籍を有しない者ではないこと

想う相続税理士

国籍や居住状況について、一定の要件があります。

その他の状況の要件

被相続人に配偶者がいないこと
お亡くなりになった方に配偶者がいないことが要件です。

想う相続税理士

相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと

想う相続税理士

お亡くなりになった方に同居親族がいないことが要件です。

親御さんが、お一人で住んでいたという感じです。

同居していなくても、特例の適用が受けられる、というのが、この家なき子特例の特徴です。

その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること
所有継続要件があります。

申告期限までに売ってはいけません。

想う相続税理士

相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと

想う相続税理士

これが新要件ですね。

昔、持っていた家に住んでいるときはダメです。

先ほどの(アウト1)を生み出すための要件になります。

相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと
これも新要件ですね。

自分や自分の配偶者、一定の親族等が所有している家に最近住んでいるとダメです。

先ほどの(アウト2)を生み出すための要件になります。

ただし、カッコ書きが重要です。

お亡くなりになっていた方が住んでいた家屋であればアウトにならないのです。

取得者、つまり、相続人が所有していたとしてもです。

同居親族については、別の規定により、特例が認められていますから、別居していて、相続人が所有していて、そこにお亡くなりになった方が住んでいた場合でも特例の適用が認められる、ということになります。

つまり、親の土地に子供が家を建て、そこに親が住んでいた、子供は賃貸マンションで好きなところに住んでいる、という場合には、この要件を満たすことになります。

さらに、この特例には、居住要件がないのです。

つまり、結果的に、相続人は、住まなくてもいいのです。

ですから、相続人が、自分で住まずに、自分の子供に住ませるなんてことも考えられるでしょう。

また、元々子供が親の土地に家を建てて、親と同居していたけれども、子供が転勤で遠くに行ってしまった、という場合でも、この特例の適用を受けられます。

家があるから、家なき子ではないのに。

想う相続税理士