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【税理士が解説】家の相続税はいくらになる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、家を相続した場合の相続税について、お話します。

相続税を申告するときは相続税評価額で評価する

資産には色々な値段の付け方があります。

例えば土地の場合、

  1. 固定資産税評価額ベース
  2. 路線価ベース
  3. 公示価格・基準地標準価格ベース
  4. 実勢価格ベース
などが挙げられます。

相続税の申告をする方が、それぞれ自分勝手に値段を付けられるワケではありません。

決められた評価方法があります。

相続税の申告においては、「相続税評価額」で評価することになります。

家は土地と建物を評価する

亡くなった方がマイホームをお持ちだった場合、そのご自宅の建物と、その敷地である土地は、別々に評価します。

それぞれの相続税評価額は、次のように計算します。

建物:その建物の固定資産税評価額×1.0
土地:路線価方式または倍率方式

路線価方式

路線価方式とは、道に1㎡当たりの値段が付いていて、その道に面している土地は、その値段で評価する、という評価方法です。

接している道に「5万円」という値段が付いている100㎡の土地であれば、「5万円×100㎡=500万円」と計算します。

さらに、土地の形状等を基に、評価減を適用して評価します。

倍率方式

倍率方式とは、その土地の固定資産税評価額に倍率を掛けて計算する評価方法です。

その「倍率」は、国税庁から毎年発表されます。

その土地の所在する町や市街化区域・市街化調整区域のどちらに所在するか、などによって、使用する倍率が異なります。

借家の場合にはどう評価する?

亡くなった方が借家にお住まいだった場合、その建物を所有していなくても、その建物に対する権利(「借家権」)を有しています。

この借家権は、理論的には、上記の建物の評価額に、借家権割合と賃借割合を掛けて計算します。

ただし、下記のような取扱いとなっているため、通常は評価不要です。

財産評価基本通達
94 借家権の評価(一部抜粋)
ただし、この権利が権利金等の名称をもって取引される慣行のない地域にあるものについては、評価しない。

借家でも土地の一部を持っていることになる!

建物は空中に浮いていません。

借家に住むことにより、その権利は土地にも及びます。

こちらも、理論的には、その権利を評価することができるのですが、借家権と同様、通常は評価しません。

財産評価基本通達(一部抜粋)
31 借家人の有する宅地等に対する権利の評価
ただし、これらの権利が権利金等の名称をもって取引される慣行のない地域にあるものについては、評価しない。

借地の場合にはどう評価する?

亡くなった方が、土地を借りて、その土地の上にご自宅を建てた場合、建物については、上記同様、「その建物の固定資産税評価額×1.0」で評価します。

土地については、所有していないものの、その土地に対する権利(「借地権」)を有しています。

この借地権は、その賃貸借における地代や権利金等によって評価します。

ご自宅の敷地は減税特例の対象になる場合がある!

亡くなった方のご自宅の敷地(借地権の場合も含みます)については、一定の要件を満たせば、「小規模宅地等の特例」を適用し、330㎡まで8割引きで評価することができます。

様々な要件があるため、自宅敷地であればOKというワケではないのですが、その敷地を配偶者が取得した場合には、この特例の適用を受けることができます。

上記の小規模宅地等の特例には、「所有継続要件」「居住継続要件」があるのですが、配偶者が取得した場合だけは、これらの要件は除外されます。

つまり、売っても(所有しなくても)、住まなくても(居住しなくても)、適用を受けることができるのです。

想う相続税理士

ただし、配偶者が取得した場合でも、そもそもその家が「自宅」に該当するのか(居住の用に供されていたと言えるか、生活の拠点となっていたと言えるか)という観点からの確認は必要となりますので、ご注意を。