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相続税申告における倍率方式による宅地の評価の注意点

相続税専門税理士の富山です。

土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式の2つの方法があります。

今回は、倍率方式による宅地の評価について、お話します。

想う相続税理士

倍率方式は、倍率地域(路線価が定められていない地域)の土地を評価する場合の評価方法です。

倍率方式により評価する場合の計算式

その宅地の固定資産税評価額×倍率
で計算します。

この「倍率」は、地域によって異なります。

具体的には、評価倍率表(国税庁ホームページで閲覧できます)を見て確認します。

間違って課税標準額を使用しないこと!

とりあえず相続税が出るかどうかの試算をするような場合だと、市区町村役場で固定資産評価証明書を取得せず、市区町村役場から春頃に郵送されて手元にある「固定資産税・都市計画税 課税明細書」などを見て固定資産税評価額を確認することもあると思います。

この場合、この課税明細書には、課税標準額も記載されていますので、(金額が同じなら結果オーライですが)間違ってその金額を使って計算しないよう、ご注意ください。

「前年度」「当年度」の数字が記載されている場合もありますので、こちらもご注意を。

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そのまま倍率を掛けて大丈夫?

固定資産税評価額は、筆ごと(地番ごと)の金額です。

例えば、相続財産の中に「○○町101:固定資産税評価額1,000万円」「○○町102:固定資産税評価額2,000万円」という宅地があり、その地域の宅地の倍率が1.1だとします。

この場合
○○町101:1,000万円×1.1=1,100万円
○○町102:2,000万円×1.1=2,200万円

と評価するのではなく、
○○町101・102:(1,000万円+2,000万円)×1.1=3,300万円
と評価すべき場合もあります。

宅地の価額は、1筆単位で評価するのではなく、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいいます。)ごとに評価する必要があるため、101・102全体を一つの宅地として利用しているのであれば、合計してから倍率を掛けることになります。

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逆に、1筆の土地の中に複数の貸家がある(複数の貸家の敷地がある)ような場合には、その1筆の土地を各敷地ごとに分割した金額に対して倍率を掛けることになります。

合計しようが個別に計算しようが、計算結果は変わらないかもしれませんが、評価額を合計して計算した際、合計後の面積が1,000㎡以上(三大都市圏以外)であることに気付き、「地積規模の大きな宅地の評価」(最低でも20%の評価減が可能)を適用し忘れずに済む、なんてこともあり得ます。

地積規模の大きな宅地の評価を適用する場合には、一定の要件を満たす必要があります。

想う相続税理士秘書

早く計算を終わらせようとして、固定資産評価証明書などに記載されている固定資産税評価額に上から倍率を掛けていくだけの機械的な作業になってしまうと、地積規模の大きな宅地の評価の適用を失念してしまう恐れがあります。

まずは「評価単位」をきちんと検討しましょう。

想う相続税理士

地積規模の大きな宅地の評価を適用する場合には、その土地の固定資産税評価額は使いませんので、ご注意を。