【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

死亡退職金・弔慰金と相続税・非上場株式の評価の関係

相続税専門税理士の富山です。

今回は、死亡に伴い、相続人の方などに対して会社から死亡退職金や弔慰金の支給があった場合の、相続税及び非上場株式の評価への影響について、お話します。


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死亡退職金の支給がある場合

お亡くなりになったことに伴い、会社から相続人の方などに「死亡退職金」の支給がある場合がある

死亡退職金は「みなし相続財産」として相続税の課税の対象

この死亡退職金については、
500万円×法定相続人の数
の非課税枠がある

死亡退職金が2,000万円、法定相続人が3人の場合、500万円×3人=1,500万円が非課税なので、2,000万円△1,500万円=500万円が相続税の課税対象となる

弔慰金の支給がある場合

同じく、お亡くなりになったことに伴い、会社から相続人の方などに支給されることがあるモノとして「弔慰金」がある

亡くなった方を「弔い(とむらい)」、ご遺族を「慰める(なぐさめる)」ために支給されるモノ

弔慰金は、死亡退職金とは逆に、原則的な考え方として相続税の課税対象外

ただし、以下の点に注意

①名目は弔慰金などになっていても、実質上死亡退職金に該当すると認められる部分は死亡退職金として相続税の課税対象

②実質上退職手当金等に該当しないからと言って、いくらでも非課税になる、というワケではなく、上記①以外の部分については、下記の非課税枠があり、それを超える部分は死亡退職金として相続税の課税対象

業務上の死亡であるとき・・・亡くなった方の死亡当時の普通給与の3年分に相当する額
業務上の死亡でないとき・・・亡くなった方の死亡当時の普通給与の半年分に相当する額

弔慰金等が、実質上死亡退職金に該当するかどうかは、弔慰金等を退職給与規定その他これに準ずるものの定めに基づいて受ける場合においては、その規定等により判定し、その他の場合は、亡くなった方の地位、功労等を考慮し、会社が営む事業と類似する事業において同様の地位にある者が受け、または受けると認められる額等を勘案して判定することになっている

上記の「普通給与」とは、俸給、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当などの合計額を言う

死亡退職金の非上場株式の評価への影響

亡くなった方が、その死亡退職金や弔慰金を支給する会社の株式(非上場株式)を所有していた場合(相続財産の中にその支給会社の株式がある場合)には、その支給により株式の評価額が下がる場合がある

具体的には、純資産価額の計算上、死亡退職金は負債として、取引相場のない株式の評価明細書の「第5表 1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」の相続税評価額・帳簿価額の欄に計上できる(純資産価額が下がる)

弔慰金の非上場株式の評価への影響

弔慰金については、弔慰金の非課税枠を超え、死亡退職金として相続税の課税対象となった部分であれば、上記の死亡退職金と同じ扱いとなり、相続税評価額・帳簿価額の欄に計上できる(純資産価額が下がる)

想う相続税理士

この場合の死亡退職金とは、亡くなった方に支給されるべきであった退職手当金や功労金などで、「死亡退職の場合で、支給される金額が死亡後3年以内に確定したもの」「生前に退職している場合で、支給される金額が死亡後3年以内に確定したもの」を言います。