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贈与契約書は万能ではない!

想う相続税理士、富山です。

今回は、贈与があったことを主張する場合に、贈与契約書があれば絶対に大丈夫なのか、ということについて、お話します。

贈与でなければ貸していたということ?

相続税の税務調査においては、亡くなった方のお金が生前に動いている場合、それが贈与なのか、それとも贈与ではないのか、ということがポイントになります。

贈与であれば、その贈与税の申告がきちんとされているのかどうか、贈与が成立していないのであれば、亡くなった方のモノのままなのか。

亡くなった方のモノのまま、ということは、所有権が移転してないということですから、「貸している」「預けている」だけ、ということなります。

その場合には、亡くなった方の財産(相続財産)として、相続税の課税対象になります。

贈与契約書が認められなかった事例がある

「贈与があったことを明らかにしておくために贈与契約書を作りましょう」というような話がよくネットに書いてありますが、贈与契約書があれば、その通りに贈与があった、という証明になるかというと、そんなことありません。

以前、このような裁決がありました。

国税不服審判所(令和元年6月17日裁決)(一部抜粋)
請求人らは、平成21年6月4日付の「贈与契約書」と題する書面(以下「本件21年書面」という。)を後日発見した旨主張するが、請求人E1は、原処分に係る調査及び再調査の請求に係る調査において、本件21年書面の提示はおろか、その存在についての申述もしなかったのであり、審査請求の段階において発見されたというのは極めて不自然であり信用できない

税務は実態で判断する

贈与の事実があったことを主張にするためには、その贈与財産の移転があるだけでは足りず、贈与契約の成立があったことを明らかにすることがポイントとなります。

契約ですから、当事者の一方のみの意思では成立しません。

財産を、もらう方、あげる方、双方の受贈・贈与の意思が必要です。

想う相続税理士

贈与契約書に公証役場で確定日付をもらっておく、という手もあります。