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道路より高い土地または低い土地を評価する場合における注意点

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税申告において土地を評価する場合、面している道路よりも高い位置にある土地、または、低い位置にある土地を評価する場合の注意点について、お話します。

道路に対する高低差は土地の使い勝手を低下させる

相続税申告において土地を評価する場合、路線価方式、または、倍率方式により評価します。

例えば、路線価方式により評価する場合、路線価2万円の道路に接している宅地は、1㎡当たり単価2万円で評価することになります。

しかし、その土地が道路よりも低くなっていて、路線価2万円の道路から簡単に入れないとします。

隣にある同じ路線価2万円の道路に面している他人の土地が、道路と同じ高さの土地で、道路からそのままスッと簡単に入れる土地だとします。

どちらも路線価2万円の道路に面しているワケですから、単価2万円で評価する、ということでいいのでしょうか?

路線価2万円の道路から入ることができない土地でも、路線価2万円で評価するのでしょうか?

土地が低くなっていて道路から入れない、ということは、それだけ利用価値が下がっているということです。

利用価値が著しく下がっている土地は10%引きで評価できる

その利用価値が付近にある他の土地の利用状況から見て著しく低下していると認められる場合には、10%引きで評価してよい、ということになっています。

この場合の「利用価値が著しく低下」する例としては、次のようなものが挙げられます。

(国税庁ホームページ)
1 道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で、その付近にある宅地に比べて著しく高低差のあるもの
2 地盤に甚だしい凹凸のある宅地
3 震動の甚だしい宅地
4 1から3までの宅地以外の宅地で、騒音、日照阻害(建築基準法第56条の2に定める日影時間を超える時間の日照阻害のあるものとします。)、臭気、忌み等により、その取引金額に影響を受けると認められるもの

道路に対して高低差があれば必ず安く評価できるワケではない

上記の説明では、路線価方式による評価を例に説明しましたが、倍率方式による土地の場合でも同様に、10%引きで評価することができます。

しかし、注意すべき点は、路線価方式にしろ、倍率方式にしろ、その基準となる「路線価」「固定資産税評価額」「倍率」が、すでに利用価値の著しい低下を加味したものとなっているかどうかの確認が必要だ、ということです。

ベースとなる路線価等に、利用価値の著しい低下がすでに加味されている場合には、10%引きの評価減は適用できません。

例えば、すでに道路よりも低い土地であることが加味された路線価になっている場合には、さらにそこから10%引きしてしまうと、二重に評価減を適用することになってしまうからです。

つまり、その付近の土地が地勢上、同様に道路よりも低くなっている場合には、路線価も安くなっている可能性がある、ということです。

しかし、周りの土地を見たところ、道路との高低差は全くなく、その付された路線価は利用価値の低下が加味されていない、自分の土地だけが「著しく」低くなっている、という場合には、10%の評価減が適用できる、ということになります。

想う相続税理士

自分の土地の道路との高低差だけではなく、付近の土地との高低差(厳密に言うと、付近の土地の、道路との高低差)も確認する必要がある、ということになりますので、ご注意を。