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改正前(現時点)の相続時精算課税制度の要件と贈与税の計算方法

相続税専門税理士の富山です。

今回は、来年から改正される相続時精算課税制度について、現時点での要件や計算方法について、お話します。

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想う相続税理士秘書

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相続時精算課税制度は選択する

贈与により財産を取得した方(「受贈者」と言います)は、何もしなければ「暦年課税(暦年課税制度)」により贈与税を計算することになります。

暦年課税による贈与税の計算は、下記のような流れになります。

  1. 1年間にもらった財産の金額を合計(複数人からもらったのであれば全部合計)する
  2. 合計額から基礎控除額110万円を控除する
  3. 控除した残額に税率を適用する

この税率を適用する際、直系尊属(父母や祖父母など)から18歳以上の者への贈与の場合には「特例税率」、それ以外の場合には「一般税率」を使用します。

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受贈者に財産をあげる方(「贈与者」と言います)と受贈者の関係により税率が異なります。

一定の要件に該当した場合、上記の暦年課税を適用せず、「相続時精算課税(相続時精算課税制度)」により贈与税を計算することを選択することができます。

相続時精算課税制度の要件

相続時精算課税制度を選択するための要件は、下記のとおりです。

  1. 贈与者:贈与年の1月1日において60歳以上の方
  2. 受贈者:贈与者が亡くなった場合に相続人となる直系卑属(子や孫など)で贈与年の1月1日において18歳以上の方
  3. 手続:受贈者は、贈与年の翌年2月1日から3月15日までの期間内に、贈与者ごとに作成した相続時精算課税選択届出書を、戸籍の謄本その他一定の書類とともに贈与税の申告書に添付して、贈与税の納税地の所轄税務署長に提出する

相続時精算課税制度による贈与税の計算

相続時精算課税による贈与税は、下記のAからBを控除した金額にCの税率を掛けて計算します。

(A△B)×C=贈与税です。

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A:課税価格

相続税法(一部抜粋加工)
第21条の10 相続時精算課税に係る贈与税の課税価格
相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した財産については、特定贈与者ごとにその年中において贈与により取得した財産の価額を合計し、それぞれの合計額をもつて、贈与税の課税価格とする

B:特別控除

相続税法(一部抜粋加工)
第21条の12 相続時精算課税に係る贈与税の特別控除
相続時精算課税適用者がその年中において特定贈与者からの贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税については、特定贈与者ごとの贈与税の課税価格からそれぞれ次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を控除する
一 2,500万円(既にこの条の規定の適用を受けて控除した金額がある場合には、その金額の合計額を控除した残額)
二 特定贈与者ごとの贈与税の課税価格

C:贈与税の税率

相続税法(一部抜粋加工)
第21条の13 相続時精算課税に係る贈与税の税率
相続時精算課税適用者がその年中において特定贈与者からの贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税の額は、特定贈与者ごとに、第21条の10の規定により計算された贈与税の課税価格(前条第1項の規定の適用がある場合には、同項の規定による控除後の金額)にそれぞれ100分の20の税率を乗じて計算した金額とする。

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税率は20%の固定です。